4限：もろみ酢の種類

3時限目でお話ししました、もろみが誕生し、私たちの生活に定着するまでには、お酢の発展や泡盛の発展があったからこそだったこと、お分かり頂けましたでしょうか。4限では、もろみ酢の様々な種類についてご紹介していこうと思います。

・原料の種類別

沖縄県の泡盛酒造から始まったもろみ酢の販売ですが、健康ブームが活発になるにつれて、本格焼酎業界でも開発が行われるようになり、今では麦焼酎、黒糖焼酎、いも焼酎などの酒粕を利用したもろみ酢が販売されています。もろみ酢は原料によってそれぞれ特徴とする栄養機能も異なってきます。例えば、泡盛由来のもろみ酢は、泡盛が全麹で作られることからアミノ酸量が非常に豊富とされています。また、黒糖が原料のもろみ酢はアミノ酸含有量が低い分、カリウムやカルシウム、鉄分などのミネラルを多く含むとされています。そして、鮮やかな紫色が特徴の紫いもが原料の焼酎もろみ酢はポリフェノール含有量が高いとされ、抗酸化力が高いことが分かっています。ちなみに、もろみ酢の最大の特徴である「疲労」や「代謝」に効果があるとされる“クエン酸”の含有量は、泡盛もろみ酢とされています。みなさんもその時々のお悩みいよって、色んなもろみ酢を試してみてください。

・味の種類別

もろみ酢はもともと米酢や黒酢などの酢酸が主成分のお酢と違い、クエン酸が主な成分ですので、ツンとした酸味や飲みにくさを感じにくいのが特徴です。しかし、原料を発酵させる過程で生じるもろみが原料のため、独特の風味が苦手、という方も中にはいらっしゃいます。そのためメーカーではお酢のパワーをみなさんに是非とも感じてもらうため、様々な風味づけをして、飲みやすく親しみやすい商品をたくさん開発しています。例えば、沖縄では黒糖が甘味料として主流ですので、黒糖の風味付けをしてコクのある優しい甘さが特徴の商品や、はちみつ・パイナップル・マンゴー・シークワサーなとのさわやかな甘みがプラスされた商品があります。もちろん、もろみのパワーだけでなく、例えばしょうがの体を暖める力をプラスした商品や、美容に良いとされるコラーゲン入りのものもあります。これらの商品を生活に取り入れて、健康な毎日を送るには、やはり続けやすい商品が一番です。ぜひご自分の好みに合った商品を見つけてください。

・形態の種類別

もろみ酢の商品提供方法は各社様々で、おおむね①飲料タイプ、②サプリメントタイプの2つに分かれます。飲料タイプは原液のものもあれば、ストレートで飲める嗜好性の高いものもあります。また、サプリメントタイプはもろみの液体が入っているサプリメントと、もろみの乾燥粉末を固めた錠剤タイプや、あるいはカプセルタイプがあります。液体タイプは原液をジュースで割ったり、ヨーグルトにかけて食べたりと幅広い利用方法があります。味にクセがないものを選べば、小さいお子様でも飲めるもろみ酢もあります。また、初めてもろみ酢にチャレンジする人や、液体もろみ酢にチャレンジしたけれど味が苦手で断念してしまった人、普段液体もろみ酢を飲んでいて、職場や外出先に持ち運びたい人にオススメです。

みなさんがもろみ酢を選ぶときは色々悩まれるかと思います。そんなときは、これまでご紹介してたように、①原料の違い、②味の違い、④形態の違い、をご参考に、是非ご自分に合ったものをお選び頂ければと思います。